【むくみ解消させたい方必読】カフェインって実際むくみ解消になるの？

医学的には「浮腫」と呼ばれるむくみは、体内のある部位や全体が腫れる現象です。むくみは通常、血液やリンパ液のバランスが崩れてしまうことで発生します。
これらは通常、血管と組織の間を自由に流れて細胞への栄養供給や老廃物の排出を助けますが、何らかの原因でこのバランスが崩れると、組織間に液体が溜まってむくみを引き起こすのです。それでは、なぜこれらのバランスが崩れてしまうのでしょうか。その原因はさまざまですが、ここでは主なものを4つ解説します。

1.同じ姿勢で過ごしている

長時間立ったり座ったりすることにより、重力の影響で血液やリンパ液が下半身に集まりやすくなります。とくに、足首や足の裏、ふくらはぎなどはむくみやすい場所です。この状態が続くと静脈血の流れが悪くなり、静脈弁の機能が低下し、血液が逆流しやすくなるという問題も生じます。また、長期にわたって続くと、静脈瘤や深部静脈血栓症といった疾患を引き起こす可能性もあり、要注意です。

2.塩分の摂取過多

塩分は体内で水分を保持する作用があります。そのため、塩分の摂取量が多いと体内の水分量も増え、それがむくみを引き起こす可能性があるのです。また、塩分が多いと血圧が上昇してしまうため、それが血液やリンパ液の循環を悪化させてむくみの悪化につながる側面もあります。塩分の摂取過多はむくみだけでなく、高血圧症や心疾患のリスクも高めるため、注意が必要です。

3.ホルモンの変動

とくに女性の場合に気をつけたいのは、生理周期や妊娠、更年期といった時期によって起こるホルモンバランスの変動です。これらのホルモンの変動は、体内の水分と塩分のバランスを崩してしまうことにつながり、それがむくみを引き起こします。たとえば、生理時期にはプロゲステロンというホルモンの分泌が減少して体内の水分や塩分の排泄を阻害し、むくみを引き起こすことがあるのです。

4.病気によるむくみ

心臓病、肝疾患、腎疾患などの病気によって血液やリンパ液の循環が阻害され、組織間に液体が滞留することが原因の可能性もあります。とくに心臓が弱っていると血液の循環が悪くなり、下半身に血液が滞留しやすくなり、むくみとなるのです。また、肝臓や腎臓の機能が低下すると、体内の水分や塩分の排泄がうまくいかず、それもまたむくみにつながります。

むくみの原因は多岐にわたりますが、解消するのは簡単なことではないと思う人もいるでしょう。
実は、カフェインの摂取がこのむくみの予防・解消に対して効果的であることを知っていますか。
このカフェインには利尿作用があり、適度な摂取によって体内の余分な水分を排出しやすくすることで、むくみの予防・解消に効果的なのです。

眠気覚ましだけじゃない、カフェイン作用

カフェインが利尿作用を持つ理由は、その化学的性質によります。
カフェインはアデノシンという神経伝達物質の働きを阻害する効果がありますが、このアデノシンは腎臓の血管を拡張し尿の生成を抑える役割を果たしているのです。
そのため、アデノシンがカフェインによって阻害されると、腎臓の血管の拡張を抑制して尿の生成が促進されます。

また、カフェインは血流を改善する作用もあり、これが直接的にリンパの流れを良くしてむくみを解消する助けにもなります。
リンパ系は免疫システムの一部で、体内の老廃物を排除する重要な役割を果たすものです。
このリンパ液の流れが滞ると、むくみの原因となる液体が体内に溜まりやすくなります。
そのため、カフェインの血流改善作用によってリンパ液の流れを促進すると、むくみの解消につながります。

ただし、むくみが長期間にわたって続く、または急激に発症した場合は、それが心臓病や腎臓病などの重篤な疾患の兆候である可能性もあります。
このような場合には医療専門家に相談し、適切な診断と治療を受けることが必要です。

【参考文献】
ネスレ珈琲と健康 ～カフェインと脳の働き～
https://www.nestle.co.jp/sites/g/files/pydnoa331/files/asset-library/documents/stories/individuals-families/interview10.pdf

むくみを解消するためのカフェインの摂り方

カフェインはむくみの予防・解消につながりますが、だからといってたくさん摂取すればよいというわけではありません。
ここでは、むくみを解消するためにどのようにカフェインを摂ればよいのか、そのポイントを3点解説します。

まず、カフェインの摂取量に気をつける必要があります。
カフェインは過剰に摂取してしまうと、中枢神経系の刺激によるめまいや心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気といった健康被害をもたらすことがある物質です。
一般的には、一度に200ミリグラムまで、1日に400ミリグラムまでが安全とされているため覚えておきましょう。
コーヒーの場合は、100ミリリットルあたり60ミリグラム程度のカフェインが含まれています。
そのためコーヒーの摂取量としては一度に330ミリリットル、1日に660ミリリットル程度を上限に飲むのがよいでしょう。

次に、摂取時間についてです。カフェインには中枢神経を刺激し覚醒状態を促す効果があるため、寝る前の摂取は避けたほうが無難です。
とくにカフェインに敏感な人は、睡眠の質を低下させる可能性があります。
一般的には、就寝の6時間前までに摂取することが望ましいとされているため、できるだけ早い時間に接種するように気をつけましょう。

また、むくみを解消するためには単にカフェインを摂取するだけではなく、その他の生活習慣も考慮することも重要です。
適度な運動、バランスの良い食事、十分な水分摂取、ストレス管理などがむくみの予防・改善につながります。
とくに、むくみの解消に有効といわれているのがカリウムの摂取です。
カリウムは、人間の体内で必要とされるミネラルの1つであり、神経伝達や筋肉の収縮、心拍数の調整など、体の正常な機能に重要な役割を果たします。

カリウムの適切な摂取量としては、1日当たり男性で3000ミリグラム以上、女性で2600ミリグラム以上が目安です。
カリウムは野菜や肉類・魚介類・乳製品など食品に広く含まれていますが、腎機能が正常であれば、サプリメントなどを過剰に摂取しない限り、過剰摂取のリスクは低いとされています。
そのため、比較的気軽に摂れる栄養素といえるでしょう。
また、カフェインの代名詞であるコーヒーにもカリウムは含まれています。
コーヒーから接種できるカリウムは、100ミリリットル中に65ミリグラム程度です。
カフェインの摂取上限から考えるとコーヒーだけで1日分のカリウムを接種することは難しいため、全体的な食生活にも気を配ってバランスよく接種するようにしましょう。

このように、むくみ解消のためにカフェインを摂る方法にもさまざまなポイントがあります。
重要なのは、カフェインに頼りすぎずに生活習慣全体を見直し、バランスよく健康的な生活をおくることです。
どんなものでも摂りすぎると悪影響があるため、適量を守ってうまく利用するようにしましょう。

【参考文献】
厚生労働省食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ＆A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

ひつじの珈琲タイムコーヒーはむくみ解消に役立つ？効果と適切な飲み方を解説
https://hitsujicoffeetime.jp/co_edema/

カフェインを上手く活用して健康的な生活を送るためには、自身の体調や生活習慣に合ったカフェイン摂取の方法を見つけることが大切です。
むくみ解消のためにはカフェインを適度に、適切なタイミングで摂取することが重要ですが、ほかの健康的な生活習慣と組み合わせることでさらにむくみの予防・解消に対する効果を最大化できることも覚えておきましょう。